春休みの無い保育園にとって、新年度は大忙しです。昨日まで年度末だったのに関わらず、翌日には全く新しい環境になります。
新入児とその保護者だけでなく、新人の保育士、転職や異動してきた保育士もいます。時には園長が変わる年もあります。
子ども達は不安で泣き、落ち着かないことも多く、保護者も新しい仕事や保護者自身の生活の変化に忙しくしています。
そんな中でも、保育士は子どもを一番に受け止め、保護者の良き理解者でなくてはいけません。
しかし、保育士自身も新しい環境にヘトヘトになります。落ち着かないクラスに疲れてしまい、時には仕事に行きたくないと思う時もあるかも知れません。
今回は、そんな忙しい保育士が新年度を乗り越える方法をお話しします。
1.保育士が新年度を円滑に迎えるために準備できることは?
年度末の処理をするなかでも、新年度に向けて最低限の準備は必要です。
新年度に準備が整っていると、ある程度のバタバタは解消されます。
(1)自分のクラスの環境を整える
子ども達の好きな玩具は玩具棚にそろえておきましょう。そして、できることなら昨年度まで慣れ親しんだ玩具も置いておきましょう。
全てが新しい環境の中、お気に入りの玩具があるだけで、子ども達はホッとすることもあります。
食事の場所、午睡の場所なども具体的に決めておく
食事の場所、午睡の場所なども具体的に決めておきましょう。
外遊びから帰った後や、午睡前後の子どもと大人はどう動くか、イメージをすると物の置く場所や位置が決まってきます。
環境が整えば子ども達もある程度落ち着いてくれるので、バタバタしてしまうことやトラブルを未然に防ぐことができます。
(2)クラスの子どもの状況を把握し、情報を共有する
自分が受け持つ子どもはどういう子なのか、家庭状況、アレルギーがあるか、その他健康面で配慮することはあるか、どんな遊びが好きなのか、などを知っておきましょう。
持ちあがりの担任がいるならば、事前に打ち合わせをして情報を共有することが大切です。
新年度になってから慌てて子どもがいる前で引きつぐことが無いようにしたいです。
「知らなかった」では済まされないこともある
健康面は「知らなかった」では済まされないこともあります。充分把握しておくようにしましょう。
(3)受け持つクラスの発達を学び直す
これは忙しいと忘れがちです。
しかし、若手でもベテランでも、子どもの発達をおさらいしておくことは大切です。発達を学び直すことで、子ども達の近い将来の姿がイメージしやすく、年間目標などの指導案もたてやすくなります。
年度が変わるタイミングに、担任同士で保育所保育指針を読み合わせることをおすすめします。
2.忙しい保育士の新年度を乗り越えるコツ
新年度は、保護者との挨拶をして、子ども達の遊びを一緒に楽しむことで、書類作成や保育準備などの仕事が後回しになることもよくあります。
また、予定外の面談をしたり、子ども達の姿で環境を変えたりと、仕事はどんどん増えていきます。
そうするうちに仕事は山積みになり、自分の時間がなくなったり、家に帰るころにはぐったりしてしまいます。
それでは、新年度を元気に乗り越えるにはどうすればよいでしょうか。
(1)第一印象を大切にする
保育士同士でも、挨拶をしっかりしていきましょう。初めての人や環境は緊張します。けれども思い切って大きな声で「おはようございます!」と笑顔で挨拶をすると、自分もすっきりと気持ちがいいものです。
相手の挨拶は待たずに、こちらから声をかけていきましょう。
どの保護者にも全員平等に挨拶をしていく
担任するクラスの保護者には、できることなら初日に全員に挨拶をしましょう。どの保護者にも全員平等に挨拶をしていくととても好印象です。
挨拶をすることで、「この人は話しやすい」と思ってくれ、余計なギクシャクや緊張は消えていきます。
(3)仕事をしすぎないようにする
新年度はやることがたくさんですが、保育士自身としても「こんなことしたい」という思いもあふれています。
全てをこなそうとすると、時間はいくらあっても足りません。
新年度は、仕事はしすぎないようにすることが大切です。
最低限の仕事はして、ある程度はわりきってプライベートの時間も充実させましょう。
体調管理も仕事のうち
スタートダッシュをしすぎてあとで体調を崩しては意味がありません。
体調管理も仕事のうちです。しっかりと疲れをとり、元気に仕事に行けるように自分をコントロールしましょう。
(4)保育士同士のコミュニケーションをとる
コミュニケーションは常に大切にしますが、新年度はとくに大切にしていきましょう。保育士同士のコミュニケーションがうまくとれていると、子ども達も安心します。
新年度初めて一緒に働くことも多いので【暗黙の了解】は通じないことも多いです。
できるだけ確認事項は声に出す
打ち合わせも密に持ちながら、できるだけ確認事項は声に出すことや、疑問に思ったことはためこまずにすぐに相談していきましょう。
異動・転職者の保育士の場合
今まで働いていた職場と比べがちです。「おかしいかな?」と思ったことでも始めは様子を見てみるのも大切です。
変だなと思ったことでも、よく見てみると大切な意味があったり、やってみるとこちらのほうが良いと思えてきたりすることもあります。
提案するのは全体が分かってからにする
「前の園では~だった」などと言ってしまうと、以前から働いている人たちも良い気持ちはしません。
改善した方が良いと思っても、数カ月は様子を見て、全体が分かってから提案すると良いでしょう。
3.保育士が新年度で不安になる事と対処法
新年度はわからないことが多かったり、これで良いのかと迷うこともたくさんあります。どう対処したらよいか、2つ例をあげてご紹介します。
(1)「クラスの子どもがまとまらない」という不安
新しいクラスを受け持ち、子どもが自分に慣れてくれないことや、乳児クラスでは人見知りをされてしまうことも予想できます。
これは、ある程度は仕方ないと思った方が良いです。焦ったところで子どもの気持ちは離れていくだけです。
対処法:リラックスして子ども達と向き合う
保育士はリラックスし、子どもの言葉に耳を傾けるだけでも子どもは少しずつ慣れてきます。
また、幼児クラスなどでは、子どもと思いっきり遊んでみるのも良いです。楽しく遊んでくれる先生には、子どもは自然と慣れていきます。
(2)「新しいシステムに慣れない、覚えられない」という不安
ひとりで任される早番の仕事が覚えられない、システムに慣れない、などで不安になることもあります。
対処法:メモを取り、マニュアルは繰り返し読む
当番の仕事やシステムなど、すぐに覚えなければいけない仕事は、メモを取るようにしましょう。もともと書面のマニュアルなどがあれば、それを繰り返し読んで覚えましょう。
ポイント

暗記するのが不安ならば、マニュアルは覚えるまでポケットなどに入れて、すぐに確認できるようにすると良いです。
確認のためにマニュアルを読み返すのは良いことです。少しでも不安ならば持ち歩きましょう。ただし、落としてしまわないように注意が必要です。
4.保育士の新年度の挨拶例文
新年度は、元気に挨拶をし、子ども達や保護者にすぐに覚えてもらえるようにしましょう。以下に例をあげてご紹介します。
入園式や進級式で挨拶をすることが多いと思います。挨拶は短くわかりやすくすることが大切です。
(1)保護者への挨拶例文
保護者への挨拶は、「本年度〇〇組の担任になりました□□です。本日はご入園(進級)おめでとうございます。」で始めましょう。
次に、自己紹介や、今年度の抱負を話します。
- 「1年間、子ども達と笑ったり、悩んだり、考えたり、様々な経験をしていきたいと思っています。」
- 「学生時代はダンスをしていました。子ども達と楽しいダンスや体操をたくさんしていきたいと思います。」
- 「保護者の皆様と、コミュニケーションをとりながら、子ども達の成長を一緒に喜び合っていきたいと思います。」
このように、自分の得意なことを話したり、保育で大切にしていきたいことをひとこと話します。
最後に「1年間どうぞよろしくお願いいたします。」と結びましょう。
(2)クラスの子ども達への挨拶例文
子ども達に挨拶するときも、子どもの見本となれるように丁寧にあいさつをしましょう。
「〇〇クラスの担任になりました、□□です。みなさん、ご入学(進級)おめでとうございます。」と始め、最後は「1年間よろしくおねがいします。」と結びましょう。
次に、保護者の時と同様、自己紹介を話します。
- 「わたしは、園庭の花壇が大好きです。みんなと一緒にお花の世話をしたり、そこに集まる虫たちを見つけたりして遊びたいです。」
- 「わたしは、今日初めてこの保育園に来ました。ここの保育園の近くには、◇◇公園がありますね。広くて木がたくさんあって、楽しそうな公園だなと思いました。わたしはお散歩が大好きなので、今年はその公園にたくさん遊びに行きたいと思います。」
- 「わたしは、とても足が速いのでおにごっこが得意です。そして誰にも負けません!〇〇組のみんなともたくさんおにごっこをしたり、いろいろなゲームを楽しみたいと思います。」
子ども達の興味をひくような自己紹介をする
このように、子ども達の興味をひくような自己紹介をすると、子ども達も「この先生と遊びたいな」と思ってくれるでしょう。
まとめ
今回は、忙しい保育士が新年度を乗り越える方法をご紹介しました。
新しい環境の中、誰もが落ち着かない気持ちや不安を抱えています。しかし、新年度は落ち着かないものだと予測しておくことや、イレギュラーなことにも対応できる余裕を持っておくことが大切です。
新年度に力を使い果たし、5月に燃え尽きることの無いように、自分をコントロールしながら仕事をしていきましょう。
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