最近では、待機児童や保育園建設の問題などで何かとニュースに取り上げられることが多い保育園。また、保育園で働く保育士は昔から女の子の憧れの職業の1つでもありました。そんな保育園保育士にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、保育園保育士の仕事内容や転職する際の注意点等についてもご紹介していきます。
1.保育園で働く保育士の仕事内容
2.保育園で働く保育士の1日のスケジュール
3.保育園の年間スケジュール
4.保育士が保育園で働くメリット
5.保育士が保育園で働くデメリット
6.保育園に転職を考える保育士が注意する求人の条件
1.保育園で働く保育士の仕事内容
保育園で働く保育士は園児の面倒を見るとともに教育の面にも深く関わるのが大きな特徴です。この点が企業内保育所や託児所と決定的に異なる点であり、大変な面がある一方やりがいを感じられる面でもあります。
子供たちに日常生活動作を身につけさせる
まず基本的なところとして食べる、眠る、片付ける、着替えるといった日常生活の動作を身につける仕事があります。また、保育園は集団生活ですので、周りに合わせて行う、あるいはうまくできていない友達を手伝ってあげるといった共同生活に必要な面を一緒に身につけていくことも大事な仕事です。
遊びを通して社会性・協調性を身につけさせる
保育園で園児を遊ばせるのはただ楽しい思いをさせるだけでなく、他の園児との集団行動の中での振る舞いを身につけさせることも大事な目的です。そのため園児ひとりひとりに目を配りながら問題のある行動をしていないか、逆にうまく溶け込めずにいる子がいないかどうかをチェックしながら一緒に遊ぶことになります。同時に自立心や感性を育てていけるような環境が理想とされています。
保護者との連携
保護者との情報交換を通して園児の教育環境はもちろん、日常生活についても相応しい環境づくりを目指していく仕事もあります。保育園での生活と家庭生活をうまく連動させることで園児が心身ともに健全に成長していける環境を作っていくわけです。保育園で働く保育士はこうした点をつねに意識した上で子供とかかわり、成長を見守っていく心構えが必要なのです。
2.保育園で働く保育士の1日のスケジュール
保育園の場合、イベントなどがある場合にはその準備や計画も加わりますし、パート勤務の保育士とシフトによっても多少違いが出できますが、基本的な一日のスケジュールはこのようになっています。
保育園の仕事は朝が早い!
保育園で働く保育士の1日はかなり早い段階からはじまります。大半の施設では7~7時半までの間に出勤し、園児を出迎える準備をはじめます。保育士全員での朝礼と情報交換、そのうえで掃除や換気、安全性の確認などを行っていきます。
まずは園児を出迎える
そして8~9時の間に登園する園児の出迎え。必要に応じて保護者との情報交換や連絡事項の伝達なども行います。そして自分のクラスに入った園児がきちんと自分の荷物を整理し、一日の準備を行っているかどうかを確認します。
お昼までは遊びの時間
9時~12時までは午前のお遊戯や勉強などの時間です。作業中に園児が怪我をしないよう注意しつつ、集団生活の中で社会性や協調性を身につけられるよう配慮しながら接していきます。
昼食の後はお昼寝
その後は昼食。幼稚園の場合は手洗いをしっかりさせること、終わった後は歯磨きと昼寝を行うのが保育園の大きな特徴です。おねしょなどをしてしまう子もいるため、精神面も含めてしっかりとケアしてあげることが大事です。
午後は自由遊びがメイン
昼寝が終わった14時ごろから15~16時までが午後の時間。自由遊びがメインになりますが、その後は帰りの準備と帰りの会、そして保護者への引渡しとなります。延長保育を担当する場合には19時くらいまで園児の面倒を見ます。
3.保育園の年間スケジュール
園児が集団生活を行う保育園では一年間の間にさまざまな行事が用意されています。保育士もその準備や園児の世話などに深く関わることになるため、重要な仕事内容のひとつとなっています。このイベントこそ、託児所など他の保育士の就職先と就業環境において大きく異なる点でもあるのです。
4月
クラス替えが行われるので新しく担当することになる園児との関係のはじまりでもあります。その後1ヵ月の間に健康診断と春の遠足、避難訓練が行われるのが一般的です。これらのイベントを通して園児が新しいクラスになれるようにし、保育士が園児の性格や健康状態を把握するのが目的です。
5~7月
5月にはこどもの日と母の日のイベント、6月には父の日のイベントが開催されます。さらにクラスになじんできた6月には保育参観や保護者会が開催されるのも大きな特徴です。園児が保育園でどのように過ごしているのか、保護者との情報交換をしっかりと行っていくことになります。そして7月に入るとプールがあります。
9~11月
夏休みを挟んで9~11月には運動会や遠足、野外教室など文化に関わるイベントが多くなります。このあたりは各保育園によって行われるイベントや内容が異なります。この時期はかなり忙しい思いをするだけでなく、準備が大変な面もあります。
12~3月
12月にはクリスマス会、1月には餅つき、2月には節分、3月はひな祭りといった季節のイベントが行われます。そして3月にはお別れ会と卒園式。卒園式の準備や練習で忙しい生活を送ることになるのが特徴です。
4.保育士が保育園で働くメリット
保育士が保育園で働く最大のメリットはなんといってもやりがいを感じることができる点です。大半の保育士は子供が好きでこの職業に就くわけですから、子供と深く関わりながら成長を見届けることができる保育園は天職といってもよいでしょう。
子供の成長に携われる喜び
託児所や企業内保育所といった施設は基本的に子供を一時的に預かる場所です。そのため子供と接する機会もごく限られますし、イベントなどの機会を通して子供と親しくなっていく機会もありません。
それに対して保育園では2~3年という長い期間を前提に毎日子供と接していくことになります。その分ひとりひとりの園児と深く接する機会もありますし、日々の中で成長を実感する機会も得られます。無事園児が卒業の日を迎えたときの充足感と寂しさは他の就職先では決して味わえない魅力です。
保護者と協力しながら子供の成長を見守る
また、保育園の保育士の場合は保護者とやり取りをする場面が多くあるため、必然的に距離が近くなります。そのため、保護者と協力しながら園児の成長に関わることができる点もメリットとして挙げられるでしょう。
規則的なシフトの元で働くことができる
就業環境で言えば安定した勤務環境が期待できる点が最大のメリットでしょう。託児所や企業内保育所は利用者のニーズに合わせて早朝や深夜まで営業しているところが多く、保育士はシフト制のもとで勤務しています。そのためどうしても勤務時間が不規則になってしまいがちで、心身に影響を及ぼしてしまうことも少なくありません。
それに対して保育園ではイベントなど特別な機会がない限りは毎日の勤務時間は大体同じですし、日曜祝日は休みを取ることができます。
5.保育士が保育園で働くデメリット
保育園は保育士が働くもっとも一般的な就職先です。しかし他の勤務先から保育園への転職を目指す場合には雇用環境が安定しているといったメリットだけでなくデメリットも目を向けておくことが大事です。
保育園の保育士は責任が重い!
保育園の保育士は保育に関する高いレベルが求められるほか、園児に対して負う責任も重くなります。託児所のように一時的に預かる施設とは異なり、毎日顔を合わせ、しかも2~3年の期間園児と接することになりますから、園児の成長と深く関わることになるのです。
この時期に集団生活にうまく溶け込めなかったり、いじめをうけるような経験をするとそれが人格形成に大きな影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。
保護者からの期待も高い
保育士はそうした園児の成長に対して少なからぬ責任を負わなければなりません。その分保護者の期待も高く、不満を覚えたときの追求も厳しくなります。
勤務時間が長い
勤務時間の長さもデメリットに挙げられます。保育園では正規職員として働いた場合、クラスを持って園児と接することになりますから、託児所のようにシフト制で途中で交代するといったことが許されません。遅くても朝8時までには出勤、帰宅は18時~19時になるなどフルタイムの仕事となります。
こうしたデメリットが自分にとってどれだけ不利になるかをよく検討したうえで現在の職場と保育園のどちらがよいのかを判断するようにしましょう。
6.保育園に転職を考える保育士が注意する求人の条件
保育園への転職を検討している場合には求人の情報をしっかりとチェックしておきましょう。施設によって待遇や環境に大きな違いが出てくるので広い視野で条件を確認しておくことが大事だからです。
チェックポイント①給与面
まず給料面。保育士の平均年収は約300万円程度といわれており、サラリーマンの平均と比べても決して高いとはいえない水準にあります。それだけに求人を探す際にはこの平均を基準ラインとしつつできるだけ高いところを選ぶことが第一です。
チェックポイント②就業環境
それから就業環境。子供を預かる場として相応しい環境が整っているかどうか、園内の施設や保育方針など詳しい面をチェックしておきましょう。
施設の方針に自分が適応できるかどうか
施設によってはかなり独特の保育方針や教育を行っているところもありますから、自分が受け入れられるか、適応できるかどうかも確認しておくことが大事です。これまで勤務した職場で培ったスキルと知識が活かせるかどうかも大事なポイントです。とくに私立保育園の場合は独自の方針のもとで保育を行っていることが多く、ホームページなどもチェックしたうえで判断したいところです。
チェックポイント③福利厚生
もうひとつ、求人の条件として確認しておきたいのが福利厚生です。小規模の保育園ではこの点が十分に用意されていないケースが見られます。長く充実した環境で働ける職場かどうかを決定付ける重要なポイントですからしっかりと見ておきましょう。加えて休日や残業などの状況も見てきたいところです。共働き世帯の増加で延長保育を行うところも増えていますので忘れないようにしましょう。
保育士転職サイトを活用して自分に合った保育園を見つけよう!
就業環境などは求人情報だけで入手するのは難しい面もあるため、保育士転職サイトなどもうまく利用してより詳細な情報が入手できるよう心がけましょう。転職サイトの担当者からは職場の内部事情などの情報も教えてもらえます。
人間関係に関する情報は必須
その際にとくに重視したいのが職場の人間関係です。保育園の場合、多くの保育士が在籍しているので職場の人間関係が大きな問題となることもあります。また先述の運営方針とも関わりますが、経営者や上司との関係が難しくなるケースも考えられます。
このように、求人情報で入手できる情報に限らず幅広い情報を入手したうえでそれらを総合的に判断しましょう。
まとめ
保育園の保育士の仕事は体力的にかなりハードです。それに加え、保護者からのプレッシャーもかかりますから、「子供が好き!」という理由だけでは正直勤まらない場面も出てくるでしょう。しかし裏を返せば、子供好きにとってはこれほどやりがいのある仕事もないかもしれません。体力に自信があり、仕事への充実感を求めるタイプの保育士にとっては一番オススメの職場であると言えるでしょう。
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